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カナダのオイスターが食べたい

カナダ大西洋岸、太平洋岸

コロナのおかげでなかなかカナダに行けそうもない。いつ国境が開くのやら。そう考えていると、だんだんあるものが無性に食べたくなってきた。カナダのオイスターだ。カナダで食べるオイスターは、日本のぷっくりした真ガキとはちょっと違う。ひとくちで「ちゅるん」とやれる小ぶりサイズなのだ。レモンを絞ってひと口で「ちゅるん」。もちろん「おとも」はクラフトビール、そして当然のようにキンキンに冷えた白ワインへと移行していく。バンクーバーでもアトランティック・カナダでもいい、新鮮で小ぶりなオイスターを早く「ちゅるん」とやりたくてたまらないのだ。

この写真は、僕がバンクーバーのオイスター・バーで撮影したメニューだ。なぜか、KUMAMOTO(熊本)、SHIGOKU(至極)、KUSSHI(屈指)などと日本語らしい名前が並んでいる。それもそのはず。KUMAMOTOとは第二次大戦後、日本の熊本県からアメリカに種ガキとして輸出されたものが、アメリカで人気を博して広く養殖されるようになったものなのだ。大ぶりの真ガキはやはりアメリカでは人気がなかったようで、逆に日本ではさほど認知されていなかった熊本産の小さな牡蠣が太平洋を渡り、KUMAMOTOとして確固たる地位を占めることになったのだ。

KUMAMOTOがおいしいので、カナダとアメリカではそれに倣って小ぶりのおいしいオイスターが開発されたそうだ。SHIGOKUはアメリカ、KUSSHIはカナダで生まれたオイスターだと聞いた。バンクーバーのグランビルアイランドでもKUSSHIを見かけたことがある。そんな経緯もあって、カナダのオイスター・バーのメニューにはKUMAMOTO、SHIGOKU、KUSSHIといった名前が並んでいるのだ。もちろん、日本のぷっくりした真ガキもおいしいのだが、真ガキはやはり焼ガキや鍋でいただきたい。巨大な生の岩ガキをポン酢をたらして口いっぱい頬張るのも大好きだけれど、カナダで小ぶりなオイスターを「ちゅるん」とやるのはまた違う喜びなのだ。カナダで「ちゅるん」としていると、それはもう、永久に「ちゅるん」を続けられる気さえしてくるのだ。

コロナにも本当に困ったものだと思うし、中途半端な段階で安易に国境を開くべきでないことは重々、自覚している。その上で、もしコロナで何かいいことがあったとしたなら、それは「ああ、やっぱりカナダに行きたい、また『ちゅるん』としたい」と改めて思ったことだろうか。自由にどこにでも行けること、自由に食べたいものを食べられること、それは本当に素晴らしいことなのだ。またカナダで「ちゅるん」とやれた時には、今までにない感動を味わえるような気がする。と、考えただけで、たまらんなあ、まったく。

しあわせの絵の具

 

しあわせ写真

KUSSHIというなのオイスター

バンクーバーのグランビルアイランドで僕が偶然出会った「KUSSHI(屈指)」という名前のオイスター。なんだか太平洋をはさんで、日本とカナダの不思議なつながりを感じてしまうのだ。