〔写真:東京ではまずお目にかかれないホッケの刺身〕
カナダとのツナガリを感じながら日本を旅するこの物語。ここで、ノヴァ・スコシア州のハリファクスと姉妹都市関係にある函館で出会った美味しいものを紹介しておきたい。まず僕が驚かされたのは、東京ではなかなか食べられないであろうホッケの刺身だ。
〔写真:水槽から飛び出さんばかりに跳ねていたホッケ〕
ホッケというと、居酒屋で出てくる「ホッケのひらき」のイメージが強いが、ここ函館では、たぶん季節によっては、だと思われるがホッケが刺身で食べられる。鮮度が落ちやすい魚なので、水槽に入れておいて注文を受けてから調理するようだ。函館市内の鮮魚店では、生きたホッケが水槽の中で飛び跳ねている光景も目にした。
〔写真:キモを醤油に溶いていただくドンコの刺身〕
もう1つご紹介したいのが、ドンコなる魚の刺身だ。ホッケが適度な脂をまとった白身なのに対し、ドンコの身は非常に淡泊。だから写真の手前にあるキモを醤油に溶いて食べるのが、まさにキモになる。濃厚なキモと合わせることで、淡泊な白身のおいしさが引き立てられる。
〔写真:函館で味わった塩ラーメン〕
函館グルメで塩ラーメンを素通りするわけにはいかない。札幌の味噌、旭川の醤油、そして函館の塩が北海道の三大ラーメンだと聞いた。すっきりした透明感のあるスープ。具が適量で、麺とスープを味わう邪魔をしないのがまたいい。お麩をトッピングするのは函館ラーメンの特徴の1つなのだろうか。
〔写真:ホタテ、ウニ、イクラが乗った函館の海鮮丼〕
函館と言えば活イカや海鮮丼のイメージが強いが、機会があればホッケやドンコの刺身にもチャレンジしてほしいと思う。僕は「美味しい、楽しい、きれい」のその先にある心豊かな旅などと言ってはいるが、もちろん旅はお勉強が目的ではないので、美味しいものを食べ、楽しい時間を過ごし、きれいな景色を目にしたい。それと同時に、その土地の歴史や人々の営みにも目を向けてほしいのだ。
⇒〔続きを読む〕第10回 函館でバイダルカに出会った
しあわせ写真
-
ホッケの刺身
本州では簡単にはお目にかかれないホッケの刺身。やはり旅では美味しいもの、そこでしか食べられないものを食べるに限るのだ。