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「白えびビーバー」の話

カナダ、富山、金沢、大阪

敬愛するカナダの現地ガイド、ケベック・シティのムッシュ高橋さんとモントリオールのミッキーさんによるYOUTUBEチャンネル「ケベックTV」でも披露させていただいたネタだが、せっかくなので自分のブログにも載せておきたい。「白えびビーバー」なるスナック菓子の話だ。

加賀百万石の城下町・金沢に本社を置く北陸製菓という会社が出している「ビーバー」というお菓子がなぜビーバーという名前になったのか。このお菓子を2本並べるとまるでビーバーの前歯みたいだから、というのがその理由なのだが、それだけでは「ふーん」で終わってしまうし、「スナック菓子・ビーバーの謎」を解明したことにはならない。
パッケージに記載されているように、1970年の大阪万国博覧会で、社長さんだか幹部だか、とにかく北陸製菓のどなたかが「カナダ館」に展示されていたビーバーの人形の前歯を見て「似てる!」とひらめいたらしい。

そうやってスナック菓子ビーバーは1970年に誕生した。だからこの愛らしいキャラクターも、実は50歳オーバーのれっきとしたオッサンのようだ。
まあ、これで謎解きはいったん終わるのだが、なぜかカナダという国はこの大阪万博に「カナダ館」「ケベック州館」「ブリティッシュ・コロンビア州館」「オンタリオ州館」と4つもパビリオンを出展していて、これはこれで「どうして大阪万博にそんなに熱心だったのか」という謎は残る。ただし、今、この謎を追う時間的な余裕はない。

それはさておき、スナック菓子「ビーバー」には、普通の味のほかに白えび、のどぐろ、カレーといった味のバリエーションがある。この中で僕がこだわっているのは、“富山湾の宝石”とも呼ばれる白えびを使った「白えびビーバー」だ。
富山出身、アメリカのプロバスケットボールリーグNBAで活躍している八村塁選手がチームメイトに白えびビーバーを紹介したところ大絶賛され、白えびビーバーが日本、そしてアメリカで一躍注目を集めることになった。

写真提供:(公社)とやま観光推進機構

で、僕が不思議な縁を感じているのは、このストーリーに登場する金沢、富山、大阪、カナダという場所だ。僕は20代で金沢勤務、40代で富山勤務、50代で大阪勤務を経験している。そしてもう10年以上、僕が取材を続けているカナダにとって、ビーバーは非常に関わりの深い動物だ。 ⇒※詳しくはこちらの記事で
大阪万博のカナダ館での出会いが名前の由来となり、富山湾の白えびを使い、金沢の会社が出しているこの白えびビーバーに深い深いご縁を感じてしまう。白えびビーバーにこれだけの関わりを持つ人間はそうそういないのではないだろうか。

“八村効果”のおかげだと思う、スナック菓子「ビーバー」は東京のスーパーでも目にするようになった。だから時々購入してはポリポリやっている。ポリポリやりながら、この「ビーバー」をカナダとの絡みでうまく活用できないものか、などと思ってしまう。例えば日本からカナダに向かう飛行機で、おやつとして「ビーバー」を出して名前の由来の「謎解き」を披露して機内を盛り上げるとか。
エア・カナダに提案してみようかなあ。うまくいったら北陸製菓から「ビーバー1年分」とかもらえたりしないもんだろうか。

 

しあわせ写真

「ビーバー」のキャラクターの「ビーバー」

「ビーバー」のキャラクターの名前はやはり、「ビーバー」なのだそうだ。しかも金沢弁をしゃべるらしい。今年が何年か、から「1970」を引き算するとビーバー君の年齢はすぐ分かるのだ。