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「アンの島」がかなり好きだ・その2

プリンスエドワード島

プリンスエドワード島が大好きだ、という話をこのブログで何回かにわたってしていきたいと思っている。僕は、「赤毛のアン」の舞台であるこの島を、ファンの人たちだけの島にしてしまうのはもったいない、「赤毛のアン」以外にも様々な魅力がたくさん詰まった島なのだと心から思っている。とはいえ、僕自身「赤毛のアン」は大好きだし、特にAnne of Green Gablesを翻訳して初めて日本に紹介した村岡花子さんのファンでもある。だから島の話をするのに「赤毛のアン」に触れないわけにはいかない。そこで今回紹介したいのが、アンの物語を再現した「フィギュリーン=figurine」なのだ。

作者の方は既に制作をやめられたと聞いているので、現地で写真を撮る機会があって本当にラッキーだったと思う。赤い髪の毛を「にんじん」とからかったギルバートの頭を、アンが石盤が真っ二つに割れるほどぶん殴る場面とか、ダイアナが「いちご水」と間違ってワインを飲んで酔っ払ってしまう場面とか、このフィギュリーンはアンの物語をなかなか忠実に再現してくれている。僕は、このダイアナの、オッサンのように「やさぐれた」感じが結構気に入っている。

アンを引き取ったのは、緑の切り妻屋根の家、“Green Gables”に暮らすマシュウとマリラの兄と妹だ。本当は孤児院から、日々の仕事を手伝ってくれる男の子を引き取ろうとしていた。ところが間違ってやってきてしまったのが、おしゃべりで夢見がちなAnneという赤毛の女の子だった、というところからすべての物語が始まる。そしてこのフィギュリーン、実に芸が細かくて、マシュウとマリラを後ろから見ると、マシュウのズボンのポケットにはかわいらしいハンカチがのぞいていたり、マリラが持つホウキにはネズミがへばりついていたりする。

アン・シリーズの3作目、「アンの愛情」に登場する「ゴグ」と「マゴグ」という陶製の犬の置物、なんていう渋いフィギュリーンまである。これなんて、「赤毛のアン」のファンの心をわしづかみにすること間違いなしだ。今のように、好きなところに、行きたい時に行ける、という当たり前のことができなくなるなんてことを経験すると、今までの「普通」がどんなに幸せなことだったのかと痛感させられてしまう。自分が思っているほど、自由になる時間はそれほどないのかもしれない、と思ってしまったりする。もう少しの我慢だと信じたい。きっとカナダに行けるのだ。必ず、間違いなく。

カナダには国立の人権博物館がある

 

しあわせ写真

「赤毛のアン」の世界を再現したフィギュリーン

マシュウが、ひとり駅で迎えを待つアンを馬車に乗せ、Green Gablesへと帰る場面。アンの幸せそうな表情がよく表現されていると思う。「赤毛のアン」の物語は、すべてここから始まるのだ。