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またカナダでカヌーを漕ぎたい

オンタリオ州・アルゴンキン州立公園

またカナダでカヌーを漕ぎたいと思う。こんなことを言いつつ、「Portage(ポーテージ)」というカヌー用語を自分のWEBサイトの名前にしているのだから、きっとカヌーイストだと思われるかもしれないが、実は生涯で2度しかカヌーを漕いだことがない。しかも1回目は東京ディズニーランドでだ。がっかりさせて本当に申し訳ないが、それでも胸を張って言えるのは、カヌーに関する知識だけは相当なものということだ。世界でもここにしかないピーターボロという街にある「カヌー博物館」にだって行ったことがある。そんな日本人、なかなかいないはずだ。

 

カナダという国は、とにかく湖や川など「水」が多い土地だ。だからカヌーさえあればどこまでも遠くに行けるような気がしてくる。ただしそれは、ポーテージがあってこその話だ。水があれば漕いで進む。水が途切れればカヌーと荷物をかついで陸地を進む。このカヌーをかついで陸地を移動することをポーテージという。カヌーにポーテージが加わりさえすれば、世界第二位の国土面積を持つカナダだって縦横無尽、どこまでもどこまでも、きっと行けるのだ。だからポーテージをサイトの名前にした。

僕はオンタリオ州のアルゴンキン州立公園で初めて本物のカヌーを体験した。カヌーが進む水路には、白い睡蓮の花がほわりと浮かんでいて、それはそれは綺麗な光景だった。昼間はカヌーを漕ぎ、夕方になると湖畔の定められた場所にテントをはってキャンプをする。夜には真っ暗闇の中、「オオカミを呼ぼう」ということになり、「アオー」とオオカミよろしく叫んでみたりもした。そういうことをするタイプではないのだが、自然とそんな気分にさせてくれるキャンプがここでは体験できる。ちなみにオオカミからの返事は特段なかったことを記しておく。

オオカミにはフラれたものの、僕は相当ラッキーだったようで、カヌーを漕ぎながら巨大なムースに会うことができた。ムースは「ヘラ」のように平らな角が特徴で、「ヘラジカ」とも呼ばれる。鹿の類ではもっとも体が大きい。だからカナダでは、夜道を車で走っていて道路を横切ったムースに衝突すると、運転手の方の命が危ないそうだ。ムースに会い、ビーバーに会い、カナダの国鳥であるルーンにも出会った。風呂がわりに湖に飛び込む。朝も湖の水で顔を洗う。そのへんの木々を燃やして火をおこし、朝食をつくる。そして食べる。風がそよそよを吹いてくる。人生の中で、こんな時間が過ごせるのは本当に幸せなことだ。だからいつかまたアルゴンキンに行きたい。きっと行けると信じている。

きっとまたカナダに行ける

 

 

 

しあわせ写真

水面に浮かぶ睡蓮

ずいぶんと昔、カヌーを旅を描いた絵画にも、白い睡蓮は花が描かれている。ヨーロッパから来た探検家たちも、この白い花を見ながら広大なカナダを移動していたのだろう。