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パフィンに会いたい

ニューファンドランド島

カナダの一番東にニューファンドランド島がある。日本人でここを訪れたことがある人はあまりいないはずだ。なにしろ遠い。しかし僕は2018年に訪れて以来、はるか遠く大西洋に面したこの島にかなり「はまって」いる以前にも触れたけれど、ニューファンドランド島はCOD(コッド)と呼ばれるタラがたくさんとれる場所で、僕はCODとニューファンドランド島から世界を語れる、とまで思っているのだが、そのストーリーはあまりに壮大なのでまずはパフィンという鳥の話をしたい。

日本語では「ニシツノメドリ=西角目鳥」という。「西」、つまり大西洋の方にいる「角(つの)」みたいな「目」をした「鳥」ということだ。確かにオレンジで縁取られた目の上が「角」のように尖っている。しかし、やっぱりパフィンと呼んだ方がずっと可愛いのでパフィンでいきたいこの島の沖合は世界でも有数の好漁場で、CODをはじめたくさんの魚がとれる。だから鳥たちも豊かな食料を目当てにニューファンドランド島で子育てをするのだ。

パフィンは飛ぶのも泳ぐのも上手なので普段は海の上で暮らしているが、子育ての季節だけは陸上で暮らす。岬の突端へと進んでいった先にパフィンが大集結している。そこには別に柵などはなくて、そろりそろりとかなりの距離までパフィンに近づくことができる。そしてパフィンの大撮影会のような様相を呈することになる。

ただし、柵なんてなくてもまったく混乱したりしないし、パフィンを驚かせないようみんな静かだし、話す時も小声だ。うまくやればパフィンをバックに記念撮影だってできる。人間はパフィンのお邪魔にならないようにしながら、楽しい時間を過ごさせていただいている、という感じなのだ。

日本ではついこの間まで、外国人観光客がどっと押し寄せて買いつくし、食べ尽くし、みたいな様相を呈していた。地元の人の生活に支障は出ていたけれど、お金を落としてくれるのだから我慢しないと、というノリだったと思う。しかし「コロナ後」の旅はパフィンとともに過ごす時間みたいな「在りよう」が主流になるのだろう。地元を大切にし、お邪魔にならないよう楽しい時間を過ごさせていただく。地元の人も「来てくれてHappy、また来てね」みたいな。僕の部屋にはパフィンのぬいぐるみがある。見るたびに、またニューファンドランド島に行きたい、パフィンに会いたいと思ってしまう。

「失業中のプディング」と「お菓子放浪記」

 

しあわせ写真

ニューファンドランド島のパフィン

カナダ最東端のニューファンドランド島で子育てをする愛らしいパフィン。こんな光景、なかなかお目にかかれない。まさに一生に一度は、と思えるような旅になると思う。