旅の物語

「TSUNAGARI(ツナガリ)旅」に出よう

第3回 どこも同じはつまらない

函館、そしてカナダ

〔写真:一番人気の「チャイニーズ・チキン・バーガー〕
楽しく旅をするにはしっかり腹ごしらえをするのも大切なこと。僕が函館で最初の昼食に選んだのは「ラッキー・ピエロ」というハンバーガーチェーン。全国ご当地バーガー日本一にも選ばれた人気店だ。函館市民には「ラッピ」「ラキピ」の愛称で親しまれている。

〔写真:派手で目立つ「ラッキー・ピエロ」の外観〕
なかでも一番人気なのが「チャーニーズ・チキン・バーガー」。こちらの愛称は「チャイチキ」だそうで、店のホームページによるとその大きさは高さ14センチ、幅11センチ。横にスマホの写真があるから、スマホの縦サイズと同じぐらい口を開ける必要があるということだ。カナダのハンバーガーもでかいが、函館のラキピも負けてはいない。

〔写真:これも外せない「オリジナル・ラキポテ」〕
華僑の二世として神戸に生まれた王一郎さんという方が創業者で、だから「チャーニーズ・チキン・バーガー」の名の通り中華料理の雰囲気をまとっている。ただし、どうも中華とかハンバーガーとかいうカテゴリーには収まりきらない店のようだ。例えばこの「オリジナル・ラキポテ」は、マグカップいっぱいのフライドポテトにミートソース&ホワイトソースがかかっていて、どうやら粉チーズも振りかけられているようだ。なんだかカナダのプティーンに似ているし、プティーンにも負けない罪悪感を味合わせてくれる。

〔写真:店内にあった巨大な「チャイチキ」〕
そしてハンバーガーチェーンといいながら、メニューはバーガー類のほかにカレーやオムライス、焼きそばなどもあって、位置づけとしてはファミリーレストランに近い。そして函館市内に17店もあって、超有名ハンガーチェーンもここ函館ではラキピの牙城を崩せないという。最近は日本全国どこの駅前も同じコンビニ、牛丼屋、ラーメン屋、居酒屋ばかり。また観光地でも「観光客向け料金」で地元の人は行かない店が多かったりする。

〔写真:店頭は派手な看板でいっぱい〕
コロナで個人の飲食店の多くが閉店を余儀なくされた。でも、これ以上全国チェーンや「観光客向け料金」の店ばかりになったら旅の楽しみも半減してしまう。地元の人が、いつもの懐具合で通う店こそ「せっかく来たのに食べないわけにはいかないだろ」という店なのだ。そんな店なら、行列が大嫌いな僕でも根気よく、かつ、おとなしく並ぶことができるのだ。
⇒〔続きを読む〕第4回 坂のある街

しあわせ写真

「チャ―ニーズ・チキン・バーガー」

「ラッキー・ピエロ」の一番人気「チャ―ニーズ・チキン・バーガー」。北海道産の鶏肉のから揚げと、同じく道内産のレタスがたっぷり。ラキピに来てこのバーガーを食べないわけにはいかないのだ。